センセイと一緒 ~feel.Black~
16:10。
鈴菜は理科準備室の前に立ち、コンコンと軽くノックした。
そっとドアの取っ手に手をかけ、ドアを開ける。
「……」
鈴菜は首を傾げた。
誰の姿も見えない。
……確か柊史は理科準備室だと言っていたような気がするのだが。
鈴菜はドアを閉め、ゆっくりと理科準備室に入った。
実験器具や薬剤が並ぶ棚の前を通り、奥の教員机が並んでいるスペースへと足を向ける。
と、教員スペースに入ろうとした、その時。
「……っ!?」
ぐい、と腕を引かれ、鈴菜は脇にあったソファーの上に転がった。
突然逆さまになった視界。
驚きのあまり目を見開く鈴菜の耳元に、とん、と手が付く。
……見ると。
柊史が鈴菜の体を挟む格好で、ソファーに乗り上げている。