センセイと一緒 ~feel.Black~
「……お前、あいつに何かしたのか?」
「ううん、何も。全然、身に覚えがないんだけど……」
鈴菜の言葉に、柊史は長い前髪をかき上げ、身を起こした。
じっと鈴菜を見つめたまま、鈴菜の濡れた唇を指先で拭い、ぺろりとそれを舐める。
……唇の間に一瞬見えた、濡れた赤い舌。
その色気に満ちた仕草に鈴菜はドキッとするのを感じた。
「……よくわからねぇな。昔からあいつはよくわからんが……」
「……」
「まぁいい。鈴、もうあいつと二人きりでは会うな。わかったな?」
言い含めるように柊史は言う。
鈴菜は訳がわからないままこくりと頷き、ゆっくりとソファーから身を起こした。
鈴菜の視線の先で、柊史もソファーから身を起こして自分の机へと向かう。
机の上に置いてあった携帯を手に取り、柊史は鈴菜に向き直った。
首を傾げる鈴菜に柊史は手を差し出す。