センセイと一緒 ~feel.Black~




あの時。

――――先週、鈴菜と尚哉が中庭にいるのを見た時。

柊史は心の奥底から、黒いものが突き上がってくるのを感じた。

……嫉妬、怒り……

嫉妬という感情を覚えるのも、鈴菜に対してだけだ。

そして……

自分でも止められない独占欲。


教師として鈴菜を守り導かねばならない立場であることはわかっている。

……教師としてのモラル、常識……

想いが募れば募るほど、背徳感も増していく。

けれど甘い棘に絡め取られたかのように……

鈴菜から目を離すことができない。


もう……

鈴菜のいない人生など考えられない。

例え教職を失うことになっても……


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