センセイと一緒 ~feel.Black~




「……っ、ダメだ」


柊史ははぁと息をつき、足を組んだ。

教職はともかく、鈴菜の将来を壊すようなことはできない。

大学受験に向けて精一杯頑張っている鈴菜。

……鈴菜の願いを、叶えたい。


けれどもし……

鈴菜が高校を出て、大学に入れば……

大学で新しい出会いがあるだろう。

鈴菜が志望しているのは共学だ。

新しい男友達もできるだろう。

鈴菜の純粋さや無垢な心に惹かれる男も多いはずだ。


「……っ」


柊史は肘掛けに肘をつき、目を瞑った。

――――無理だ。

耐えられない。

鈴菜が他の男と会うなど……想像しただけで吐き気がする。


< 87 / 225 >

この作品をシェア

pagetop