センセイと一緒 ~feel.Black~
「……っ、ダメだ」
柊史ははぁと息をつき、足を組んだ。
教職はともかく、鈴菜の将来を壊すようなことはできない。
大学受験に向けて精一杯頑張っている鈴菜。
……鈴菜の願いを、叶えたい。
けれどもし……
鈴菜が高校を出て、大学に入れば……
大学で新しい出会いがあるだろう。
鈴菜が志望しているのは共学だ。
新しい男友達もできるだろう。
鈴菜の純粋さや無垢な心に惹かれる男も多いはずだ。
「……っ」
柊史は肘掛けに肘をつき、目を瞑った。
――――無理だ。
耐えられない。
鈴菜が他の男と会うなど……想像しただけで吐き気がする。