センセイと一緒 ~feel.Black~
4.一度でいいから
11月。
鈴菜は再来月のセンター試験に向け、勉強漬けの日々を送っていた。
数学の成績も大分良くなり、模試でもそこそこの点数が出せるようになってきた。
「お、鈴! かなり上がって来たね~」
廊下の掲示板に貼り出された校内模試の結果を前に、和泉が目を輝かせる。
鈴菜は200人中、総合で20位ぐらいに入るようになってきた。
ちなみに和泉は相変わらずトップ争いをしている。
「鈴もK大志望だよね?」
「うん」
和泉はK大の経営学部を狙っている。
和泉の成績ならもっと上を狙えるのだが、家に近いという理由でK大にしたらしい。
「このまま大学まで一緒だといいな~。ね、鈴?」
「そうだね」