センセイと一緒 ~feel.Black~
2.逃がさない
放課後。
鈴菜は鞄に教科書をしまった後、理科準備室へと向かった。
既に時間は16時を回っている。
今日は確か生物部の活動日ではないはずだ。
と、理科準備室をドア越しに覗いた時。
「……っ!」
理科準備室の奥に柊史と女性の姿を発見し、鈴菜は息を飲んだ。
豊満な肢体をネイビーのスーツに包んだ、その女性……
遠目で良くは見えないが、多分2年の英語担任の京田弘子だ。
艶やかな茶色の巻髪を後ろで軽くまとめ、ピンクのグロスをつけている。
二人の距離は異様に近い。
鈴菜の視線の先で、弘子の唇が柊史の頬に触れた。
「……うそ……」
鈴菜は胸がズキンと痛むのを感じた。
……見たく、なかった。
柊史が女子生徒に人気があるのは知っていたが、まさか教師と付き合っていたとは……。