センセイと一緒 ~feel.Black~



翌日の放課後。

鈴菜は理科実験室に向かった。

確か今日は生物部の日だが、まだ部活が始まる時間ではない。

柊史は理科実験室で準備をしているはずだ。

……多分。

ガラッと理科実験室のドアを開けると、白衣を着た長身の影が見えた。


「……鈴?」


柊史は実験机の上に置かれた水槽の前で、何やら作業をしている。

水槽の中を見ると……何やら赤っぽいものが蠢いている。

眉を顰め、鈴菜は水槽へと近づいた。


「……カニ?」

「あぁ。モズクガニだ。川に生息するカニの中では大きい方だ。こいつはなかなかガタイがいいだろう?」


……と言われても一般的なモズクガニの大きさがわからないので何ともいえない。

柊史は水槽の蓋を閉め、鈴菜に向き直った。




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