センセイと一緒 ~feel.Black~




「……で、何だ? オレに用があって来たのか?」

「はい、……えっと……その……」


言い淀む鈴菜を、柊史は前髪をかき上げ、見つめる。

――――その、大人びた色っぽい視線。

何度見ても胸がドキドキする。

鈴菜はぐっと手を拳に握りしめ、意を決して言った。


「お願いがあって……」

「……お願い? オレにか?」

「はい。……今度、学校じゃなくて、外で会いたいな、って……」

「……」

「一度でいいから。……その……」


と必死な表情で言った鈴菜に。

柊史は向き直り、その眼鏡の奥の漆黒の瞳をすっと細めた。



< 97 / 225 >

この作品をシェア

pagetop