センセイと一緒 ~feel.White~
「……っ……」
別れたい、などと……
言えるはずがない。
けれど、言わないと……もし姉が親に言ったら……。
「……先生……っ」
――――今になって。
自分がどれほど尚哉を好きなのか、身に染みてわかる。
昔の初恋とは違う、甘く切ない想い。
別れを考えただけで身が引き裂かれそうに痛む。
と、廊下をふらつきながら歩いていた時。
「……森下さん?」
少し低い、甘いテノールの声。
もう姿を見なくても誰の声かわかる。
耳に優しく響く、その声。
「……先生……」