センセイと一緒 ~feel.White~
尚哉は鈴菜の表情を見、驚いたように眉を上げた。
鈴菜の前に歩み寄り、鈴菜の顔をじっと覗き込む。
……その、夕凪を映したかのような美しい瞳。
心配そうに鈴菜を見つめるその視線に、鈴菜は視界が滲んでいくのを感じていた。
「……っ、森下さん?」
尚哉は驚いたように声を上げ、辺りを見回した。
廊下には何人か生徒がいる。
尚哉はとっさに鈴菜の手を引き、近くの視聴覚室に入った。
人が誰もいないことを確認し、裏の機材室に鈴菜を連れていく。
「さ、ここなら大丈夫でしょう。……何があったんですか?」
尚哉の穏やかな声に、鈴菜はぐっと唇を噛みしめた。
……何をどう言えばいいのかわからない。
滲んだ視界の端から、涙が一粒ぽろりと落ちた。
尚哉は息を飲み、鈴菜の頬にそっと手を添える。
「話して、……鈴菜」