センセイと一緒 ~feel.White~
「とにかく、まだ親にバレてないなら隠し通すこと! 春菜さんには『別れた』と嘘を言っておけばいいよ」
和泉ははーっと息をつき、首を振りながら言う。
和泉の言葉に、鈴菜はぐっと唇を噛みしめた。
……多分、それしかないだろう。
鈴菜が高校を出さえすれば、尚哉と鈴菜は教師と生徒ではなくなる。
その後、時間をかけてゆっくり家族を説得すればいい。
『いずれはばれることだから。でもタイミングが悪すぎるな』
――――心底、そう思う。
はぁと鈴菜は息をつき、頭上に広がる秋空を見上げた。