センセイと一緒 ~feel.White~

3.最悪の展開




11月。

鈴菜は校外模試の成績を確認するため、進路指導室へと向かった。

ガラッとドアを開け、中に入る。

……と。

そこに柊史の姿を見つけ、鈴菜は眉を上げた。


「……黒瀬先生」

「森下か。久しぶりだな?」


柊史は眼鏡の奥の瞳を細め、鈴菜の方に歩み寄ってくる。

鈴菜は柊史の頭二つ分ほど高い所にある顔を見上げた。


「お前、センターを受けるそうだな。勉強は順調か?」

「……それなりに、ですが。頑張ってやってます」

「お前は数学が弱い。平均点を底上げしたいならまずは数学だ」


柊史のクラスは国立大を目指す人がほとんどなので、ほぼ全員、センター試験を受ける。

それに比べて、鈴菜のクラスではセンターを受けるのは1/3ぐらいだ。

鈴菜は柊史を見上げながら、以前柊史に言われたことを思い出していた。


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