センセイと一緒 ~feel.White~
鈴菜は持ってきた進路調査票を出そうとした。
……と。
その手を、尚哉ががしっと掴む。
鈴菜は驚き、顔を上げた。
「……先生?」
「森下さん。……今、黒瀬と何を話していたのですか?」
尚哉の言葉に、鈴菜は息を飲んだ。
……これは、以前のあの時と同じだ。
鈴菜は慌ててぶんぶんと首を振った。
「いえ、特に……。センター試験について話していただけです」
「森下さんの担任は僕です。なぜ黒瀬と話す必要があるのですか?」
尚哉は言い、じっと鈴菜を見つめる。
……その、心の奥底まで見透かすような瞳。
鈴菜はなすすべもなく尚哉を見つめていた。
やがて尚哉は大きなため息をつき、鈴菜の手を離して片手で目元を覆った。