センセイと一緒 ~feel.White~
鈴菜は廊下を抜け、ロビーに降りた。
既にロビーの照明は落とされ、足元灯と自販機の灯りだけが闇の中でぼんやりと光っている。
鈴菜はロビーから中庭に出、辺りを見回した。
……と。
奥の植え込みの方から声がすることに気付き、鈴菜は息をひそめた。
見ると。
ガーデンライトの下、尚哉と村居さんが向かい合っている。
これは……沖縄で見た光景と同じだ。
息を飲む鈴菜の視線の先で、村居さんは涙の滲んだ瞳で尚哉に詰め寄っている。
どうやら、あれだけのことをされてもまだ諦められないらしい。
それだけ白崎先生のことが好きなんだ……。
と思うと、なぜか胸がズキッと痛む。
「先生っ、……あたしやっぱり、先生が好きですっ」
と叫ぶ村居さんに。
尚哉は首を振り、冷静な声で告げる。
「何度言われても、あなたの気持ちを受け入れることはできません」
「なぜなんですかっ!?」