センセイと一緒 ~feel.White~
鈴菜はぐっと唇をかみしめた。
父の横で母も口を開く。
「……ね、鈴菜。よく考えなさい?」
「……」
「あんたはまだ未成年だし高校生だからいいわよ。けれど相手の先生は社会人で、しかも公務員なのよ? それにまだ若いんでしょう?」
母の言葉に、鈴菜は顔を上げた。
母は鈴菜の顔をじっと見つめて、言い含めるように言う。
「これからずっと社会で生きていって、将来は奥さんや子供を養っていく。そのときに、あんたとの過去が汚点になるかもしれないのよ?」
――――汚点。
鈴菜はズキッと胸が痛むのを感じた。
そんな鈴菜に、母は目を伏せて続ける。
「教師を続けたとしても、昇進に響いたり、違う地方に飛ばされたりするかもしれない。あんたはまだわからないかもしれないけど、それが現実なのよ」
「……お母さん……」
「ただ好きって気持ちだけじゃダメなのよ。彼の将来も考えなさい?」
母の言葉は、鈴菜の胸に正面から突き刺さった。
……尚哉の将来。
母の言うことは恐らく正しいのだろう。
けれど。