センセイと一緒 ~feel.White~
4.離したくない
家を飛び出した鈴菜は、夜道を当てもなくふらふらと歩いていた。
目尻から涙が零れ落ちる。
……好きなだけでは、どうにもならない……
母の言葉が鈴菜の胸を引き裂いていく。
けれど……
鈴菜の心はもう、尚哉に惹き込まれてしまった。
もともとひとつの心だったものが、二つに分かれて鈴菜と尚哉になった。
そして今、二度と離れないように、これまでにない強さで惹き合っている。
……そんな気すらする。
もう……
別れるなんてできない……
このままでは尚哉の将来も、自分の将来も危うい。
万が一、両親が学校にこのことを告げたら……
最悪の場合、尚哉は『最終手段』に出るだろう。
そしてそうなった場合、自分も尚哉も全てを失う。
……お互い以外の、全てを。