センセイと一緒 ~feel.White~




村居さんは辺りを憚ることなく、大きな声で叫ぶように言う。

思わずびくっとした鈴菜の視線の先で、尚哉はしばし沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。


「……僕には、好きな人がいます」


その言葉に、村居さんは目を見開いた。

この世で一番聞きたくない言葉を聞いてしまった、と言わんばかりのその表情。

それを見、鈴菜の胸も締め付けられるように痛む。

硬直する村居さんに、尚哉は静かな声で言う。


「もうずっと昔から、心に決めている人です。その人以外の人を、僕は愛することができません」

「なんでっ!? あたしの方がずっと、先生を好きなのにっ……」


村居さんは尚哉の腕を掴み、縋るように見上げる。

前にも思ったが、村居さんは見かけより遥かに情熱的な人らしい。

少し身を引いた尚哉に、村居さんはさらに縋りつく。


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