センセイと一緒 ~feel.White~




尚哉の顔から血の気が引いていく。

いるとしたらここしかないと思っていた。

けれど……この神社以外に、鈴菜が行きそうな場所は思い当たらない。

尚哉は本殿の周りを一周した後、参道の方へと戻った。

左右を確認しながら、足早に歩いていく。

……と。

井戸のところに人影を見つけ、尚哉は走り寄った。

井戸に凭れ掛かるように眠っている、その姿……。


「鈴菜っ!」


尚哉は叫び、鈴菜の前に片膝をついた。

鈴菜は井戸に凭れたまま、すーっと寝息を立てている。

尚哉は鈴菜の腕に手を伸ばし……愕然とした。


夜気に晒され、氷のように冷え切った躰。

このまま目覚めなければ、凍死していたかもしれない。




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