センセイと一緒 ~feel.White~
くすくすと尚哉は笑い、鈴菜の髪を撫でる。
鈴菜はひとつ息をつき、家であったことを尚哉に話した。
――――両親にばれてしまったこと。
別れなければ学校に連絡する、と言われたこと。
しかし尚哉は鈴菜の説明を聞いた後、いつもの穏やかな笑みを浮かべた。
「もし学校にバレたら、それはその時だよ。下される処分にもよるしね」
「でも、尚くんは公務員だし、もしバレたら……っ」
「公務員、ね。……そんな地位、君がいないのなら何の意味もないよ」
あっさりと尚哉は言う。
鈴菜は目を見開いた。
「言ったよね? ……何を犠牲にしても構わないって」
「……っ」
「社会的地位も、過去も、未来も。……君と秤にかけるまでもない。おれは迷うことなく君を選ぶよ」
いつもの穏やかな笑顔で尚哉は言う。
その笑顔とはかけ離れたあまりにも重い言葉に、鈴菜は息を飲んだ。