センセイと一緒 ~feel.White~
苦笑いしながら鈴菜を見つめる、その表情。
鈴菜は思わず後ずさってしまった。
「こんな時間にこんなところにいるとは……。不用心ですよ、森下さん?」
尚哉は鈴菜の前で歩みを止めた。
……ふわっと香る、爽やかなシプレーの香り。
鈴菜は尚哉の顔を振り仰いだ。
そんな鈴菜に、尚哉は唇の端に笑みをのせて言う。
「どんな時でも、用心するに越したことはありませんよ? 今の世の中、物騒ですからね」
「……白崎先生……」
「例えばもし、僕が悪い人間だったら。森下さんをあの柱の影に連れ込んで、人にはとても言えないようなことをして、それをネタに脅すかもしれませんよ?」
「……っ……」
「目的のためなら手段を択ばない。そういう人間もいますからね?」
言い、尚哉はくすりと笑う。
鈴菜は背筋がぞっとするのを感じた。