センセイと一緒 ~feel.White~
4.覚悟
その日の夕方。
鈴菜は自室で問題集を広げながら、今日の尚哉の言葉を何度も思い出していた。
別の高校に、赴任……。
恐らく二人のことが学校側にばれてしまったのだろう。
ばらしたのは、村居さんなのか……
けれどそれにしては、鈴菜に何の処分もないというのが不思議だ。
きっと、尚哉が裏で手を回したのだろう。
「……」
鈴菜はぐっと唇を噛みしめた。
尚哉は何も言わず、全ての罪と罰を一人で引き受けた。
自分はただ、尚哉に守られただけで……。
もう、取り返しがつかない……。
「……っ、うぅっ……」
じわりと視界が滲んでいく。
……きっと尚哉は最初からそのつもりでいたのだろう。
そんな気が、する。