センセイと一緒 ~feel.White~
鈴菜はひとつ息をついた後、背筋を伸ばして両親を見た。
「……あのね。お願いがあるの」
「……?」
「私、N大じゃなくって、K大を受ける」
鈴菜の言葉に、両親と姉は驚いたように目を見開いた。
K大はここから一番近い国立大学で、もともと両親が勧めていた大学だ。
鈴菜は真剣な顔で続ける。
「K大に受かったら、先生とのことを、認めて欲しいの」
「……」
「もし認めてくれないなら、……私、この家を出るから。K大の寮に入って、奨学金を生活費に回して生活するから」
「……鈴菜……」
「だからお願いっ! お父さん、お母さんっ……」
鈴菜は身を乗り出し、両親を見た。
両親はその迫力に驚いた様子で呆然としている。
やがて、父親がため息交じりに口を開いた。
「……勝手にしろ」