センセイと一緒 ~feel.White~
言い、椅子を引いて立ち上がる。
ゆっくりとリビングの方へと歩いていくその後ろ姿……。
それを見、母がくすりと笑った。
「……勝手にしろってのは、いいってことよ」
「……お母さん……」
「あんたがここまで主張するなんてね。……正直、驚いたわ」
母は目を細めて笑った。
リビングへと歩いていく父の姿を見、口を開く。
「なんだかんだ言ってもね。お父さんはあんたが可愛いのよ。あんたが家を出るよりは、認めた方がいいって思ったんじゃないかしら」
「……そうなの?」
「でもあんた、いいの? N大に行くために奨学金取ったのに……」
姉の言葉に、鈴菜はしばしの沈黙の後、口を開いた。
「いいの。K大にも似たような学部はあるし、それに……」
「……それに?」
「自分が勉強したいと思っていることは、そう思っている限り、どこの大学に行っても勉強できるはずだから」