センセイと一緒 ~feel.White~
5.再会の約束
週末の土曜。
鈴菜は八坂神社の参道を歩いていた。
既に12月に入り、木々の間を抜けていく風も身を切るように冷たい。
ここに来るのはあの夜以来だ。
……二人が初めて結ばれた、あの夜。
考えてみれば、二人の大事な想い出は昔からいつもここにある。
参道を抜け、本殿の前を横切り、裏に続く小道を歩いていく。
……と。
本殿の裏に、グレーのコートを着た尚哉が立っていた。
ふわっとした真っ直ぐな茶褐色の髪に、端整な顔立ち。
夕凪を思わせる美しい瞳。
……彼の姿を、心に焼き付けておきたい。
鈴菜はそう思いながら、ゆっくりと歩み寄った。
「……先生」
鈴菜が声をかけると。
尚哉は鈴菜を振り返り、いつもの優しい笑みを浮かべた。