センセイと一緒 ~feel.White~
「ここで会うのは久しぶりだね、鈴菜」
「……そうですね……」
辺りを見回し、鈴菜は呟くように言った。
……冬の境内。
これから雪が降るシーズンになる。
桜羽市は温暖な気候ではあるが、年に数回、雪が降ることがある。
鈴菜は尚哉に向き直り、尚哉の顔を見上げた。
「……あの、先生。来月から、別の高校……って……」
「ああ、あれはね。……名目上は家庭の事情ってことになってる。PTAに感づかれる前に、早急に処理しておこうという校長先生の温情だよ」
「で、でも……っ」
「まあ、けじめではあるけどね。……大丈夫だよ。1、2年もすればほとぼりは冷めるから。君は気にしないで」
その美しい瞳を細め、尚哉は続ける。
腕を上げ、指先でそっと鈴菜の頬に触れる。
「……でも、君と学校で会えなくなるのは辛いな」
「……っ」
「まぁ、ここで逢えればそれでいいけどね?」