センセイと一緒 ~feel.White~



言いながら、愛おしむように鈴菜の頬を撫でる。

鈴菜はぐっと手を握りしめ、意を決したように尚哉を見上げた。


「……あのっ、尚くんっ」


突然呼び方が変わった鈴菜に、尚哉は首を傾げた。

鈴菜は続けて言った。


「私、……しばらく、尚くんには会わない。メールも電話もしない」


――――鈴菜の言葉に。

尚哉は顔色を変え、息を飲んだ。

その顔からみるみるうちに笑みが消えていく。


「……どういうこと?」

「あのね、私、K大を受けることにしたの」


鈴菜は素早く言った。

……ちゃんと伝えなければならない。

鈴菜は尚哉の袖口を掴み、見上げた。



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