センセイと一緒 ~feel.White~




「鈴、大丈夫? ……ひょっとして、ダメだったの?」

「……ううん、受かってた……」


鈴菜はか細い声で言う。

和泉ははぁと息をつき、ぽんぽんと鈴菜の頭を叩いた。


「びっくりさせるんじゃないよ~。焦ったよ、一瞬」

「ごめんね、和泉」

「ま、気持ちはわかるよ。気が抜けたんでしょ? 受かって良かったね、鈴」

「うん。和泉もね?」


鈴菜は言い、ぐいと目尻をぬぐって立ち上がった。

その横で、和泉も立ち上がる。


「さ、行こうか、鈴。兄貴が合格祝いをしてくれるって言ってたからさ」

「……え、そうなの?」

「生物室でってのがちょっと気になるけど。とりあえず行ってみようか?」


和泉は歩き出しながら言う。

生物室でって……。

よくわからないが、祝ってくれる気持ちは嬉しい。

鈴菜は首を傾げながら、和泉の後に続いた。


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