センセイと一緒 ~feel.White~
6.貴方と一緒なら・・
――――そして、春。
満開の桜の下。
鈴菜は八坂神社の参道をゆっくりと歩いていた。
今日は大学の入学式で、鈴菜はアイボリーのスーツを着ている。
片手には大学の入学式で渡されたシラバスや教科書、そしてサークルの勧誘パンフなどが入っている。
……これから始まる、新しい生活。
鈴菜は桜吹雪の中を歩きながら、参道の脇の井戸を見た。
そこに立っていたのは……。
見間違えるはずもない。
ふわっとした真っ直ぐな茶褐色の髪に、白い陶器のような肌、端整な顔立ち。
夕凪を思わせる落ち着いた優しい瞳。
均整のとれたすらっとした体つき。
――――愛しい人。
3か月ぶりに見る、その姿。