センセイと一緒 ~feel.White~
少し傾きかけた陽が参道に散った花びらを赤く照らし出す。
二人はいつもの本殿の裏で石段の上に並んで腰かけた。
「まずは、合格おめでとう。そして入学おめでとう、鈴菜」
「ありがとう、尚くん」
鈴菜はにこりと笑い、バッグを脇に置いた。
「そういえば、K大の人文って尚くんが出たとこだったんだね?」
「ああ、そうだよ。君に言いそびれてしまったけど。……となると、君はおれの後輩になるってことかな?」
言いながら、尚哉は鈴菜の肩に手を回してそっと抱き寄せる。
久しぶりの感覚に鈴菜は胸がドキッとするのを感じた。
尚哉はくすりと笑い、鈴菜の顔を覗き込む。
「先輩と後輩、か。……先生と生徒よりは大分マシだね?」
「そうだね……」