センセイと一緒 ~feel.White~




「……先生?」

「いいでしょう。……もう潮時ですね」


尚哉は言い、鈴菜の体を離した。

鈴菜の肩に手を置き、正面からじっと見つめる。


「森下さん。……来月行われる桜羽大祭に来てください。そこで全てをお話しします」

「……桜羽大祭?」

「桜羽能の会場の方です。係員に名前を言えば、中に入れるようにしておきます。……絶対に来てくださいね、森下さん」


尚哉は言い、鈴菜の髪をさらっと撫でた。

愛おしむような優しい手に、胸がトクンと高鳴る。

尚哉は少し笑い、踵を返してロビーの方へと戻って行った。

その背を鈴菜は呆然と眺めていた。



< 23 / 215 >

この作品をシェア

pagetop