センセイと一緒 ~feel.White~
「……先生?」
「いいでしょう。……もう潮時ですね」
尚哉は言い、鈴菜の体を離した。
鈴菜の肩に手を置き、正面からじっと見つめる。
「森下さん。……来月行われる桜羽大祭に来てください。そこで全てをお話しします」
「……桜羽大祭?」
「桜羽能の会場の方です。係員に名前を言えば、中に入れるようにしておきます。……絶対に来てくださいね、森下さん」
尚哉は言い、鈴菜の髪をさらっと撫でた。
愛おしむような優しい手に、胸がトクンと高鳴る。
尚哉は少し笑い、踵を返してロビーの方へと戻って行った。
その背を鈴菜は呆然と眺めていた。