センセイと一緒 ~feel.White~



ぱらっとめくり、演目の説明を読んでいく。

今回は『井筒』という演目らしい。

……何か聞き覚えがあるような……。

鈴菜は首をひねった。

あれは……歴史研究会だっただろうか?

確か、尚哉が言っていたような気がする。


『伊勢物語の「筒井筒」は、能でよく演じられる「井筒」の元になった話です』

『「筒井筒」はですね。昔、とある男女が井戸の周りで遊んだりしながら幼馴染として育ったのですが、年頃になってお互い恥ずかしくなり、疎遠になるんですね』

『けれどお互い忘れられずに、大人になる。そしてある時、男からの文をきっかけにお互いの想いを知り、二人は結婚する。そういう話です』


つまり……

井戸の周りで遊んでいた幼い男女が、別離を経て結婚する。

という話だ。

鈴菜は尚哉の説明を思い出しながらパンフレットを読み進めた。

……が。


「……あれ?」



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