センセイと一緒 ~feel.White~
……と。
参道の脇からかすかな音色がしてくることに気付き、鈴菜は足を止めた。
「……?」
綺麗な、心に染みる音……
笛の音だろうか。
けれど学校で聞くリコーダーの音とは、少し違う気もする。
鈴菜は音のする方へと歩いていった。
見ると小さい井戸があり、その縁に笛を手にした少年が座っている。
「……!」
鈴菜はその姿に驚き、目を見開いた。
ふわっとした真っ直ぐな茶褐色の髪に、白い陶器のような肌、端整な顔立ち。
夕凪を思わせる美しい瞳。
一度見たら忘れられないほど綺麗な少年だ。
年は10代半ばほどだろうか、小学生には見えない。
そしてその少年が奏でている笛の音も、とても美しい。
鈴菜は魅入られたように近寄り、少年の前に立った。