センセイと一緒 ~feel.White~




「・・・お兄ちゃんが、お笛を吹いてたの?」


と、鈴菜が言うと。

少年ははっと顔を上げ、驚いたように鈴菜を見た。

少年の視線の先で、鈴菜は続ける。


「きれいな音だね」

「・・・っ」


少年はその言葉に、顔を引き攣らせた。

何か言いたげな目で、鈴菜を見る。

やがて少年はゆっくりと口を開いた。


「・・・お前、だれ?」


その、少し高めの声。

・・・声までこんなに綺麗なんだ・・・。

と思いながら鈴菜は答えた。


「あたしは鈴菜。森下 鈴菜。お兄ちゃんは?」


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