センセイと一緒 ~feel.White~




と言った鈴菜に。

少年は鈴菜から視線をそらし、目を伏せた。


「……なぜお前に名前を言う必要があるの? 練習の邪魔だから、向こうに行ってて」


はっきりとした拒絶。

けれど鈴菜は、なんとなく、それが少年の本心ではないような気がして……

つい、言ってしまった。


「邪魔しないから。……お笛、聞かせてよ?」

「お前……」


はぁ、と少年はため息をついた。

しばしの沈黙の後、再び笛を構える。


「静かに聞いてなよ? 邪魔したら追い出すからね?」

「……うん!」



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