センセイと一緒 ~feel.White~


鈴菜としては、あの件をどう考えればいいのか戸惑う思いもあったのだが……

尚哉はまるで何事もなかったかのように鈴菜に接している。


「奨学金ですか?」

「……あ、はい……」

「僕から少し説明しましょうか?」


尚哉の言葉に、鈴菜は一瞬ためらった後、頷いた。

既に何人かの生徒が奨学金を申請していると聞いている。

枠があるのかもしれないし、申請するなら早い方がいいだろう。

鈴菜は尚哉に案内されるままCブースに入った。

机を挟んで対面に座り、テーブルの上に資料を広げる。


「まず、公的奨学金には二種類あります。一つが第一種奨学金で、もう一つが第二種奨学金です」

「……」

「第一種は3年間の成績の平均が3.5以上で、家庭年収が800万以内でないと申し込みはできません」


年収……

どうやら自分の成績だけではなく、家庭の事情も条件になるらしい。

ふむと資料を見つめる鈴菜の前で、尚哉はファイルを開いた。



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