センセイと一緒 ~feel.White~
「・・・お前・・・」
「……お前……」
少年は冷たい声で言う。
鈴菜はその冷たさに息を飲んだ。
「おれは約束を破る奴は嫌いだ」
「……っ……」
鈴菜は視界が滲むのを感じた。
……嫌い……。
少年に言われた言葉が鈴菜の心に突き刺さる。
そんな鈴菜に、少年は止めを刺すように言った。
「……お前なんか嫌いだ。顔も見たくない。もう二度とここに来るな」
その、言葉に。
鈴菜の目尻から大粒の涙が零れ落ちた。
……嫌われてしまった……。
もう明日からは会えないのに……
最後にもう一度、あの笑顔を見たかったのに……
鈴菜は踵を返し、駆け出した。
あれからどうやって家に帰ったのかは覚えていない。
出迎えた母が、驚いたように鈴菜を抱き上げてくれたのは覚えている。