センセイと一緒 ~feel.White~
彼の言葉。
約束を破った自分が悪いのはわかっている。
彼が怒るのも無理はない。
けれど、一度でいいから……彼の笑顔を見たかった。
それだけを、あの時の自分は求めていた。
鈴菜は涙を流しながら、思い出したばかりの記憶を辿っていた。
――――と、その時。
鈴菜のすぐ近くでザッという靴の音がした。
鈴菜はその音に顔を上げた。
そして、視界に映ったのは……
初めて神社で出会った時と変わらない、夕凪を映したような瞳。
ふわっとした茶褐色の髪に、端整な顔立ち。
あの頃の面影を残す、貌……。
記憶の中の少年の面影が……
今、目の前の尚哉の顔とひとつに重なる。