センセイと一緒 ~feel.White~
鈴菜は尚哉の顔を見つめながら、無意識のうちに呟いた。
――――あの頃呼んでいた、少年の名前。
「尚くん……」
涙が頬を伝い、零れ落ちる。
言葉に出しただけで、切なさが胸に広がる。
涙を流す鈴菜を、尚哉は驚いたように凝視した。
「……鈴菜?」
――――その、呼び方も……
記憶の中の少年と……全く、同じだ。
なぜ自分は気付かなかったのか。
涙を流す鈴菜の肩を、尚哉は強く掴んだ。
「……思い出したんですか?」
言い、鈴菜を覗き込むその瞳……。
あの神社で出会った時の、夕凪を映したかのような美しい瞳。
その陶器のような頬も、唇も……
あの遠い日に見たものと全く同じだ。
鈴菜は唇を開き、震える声で言った。
「……うん……」