センセイと一緒 ~feel.White~
「内面まで変わったかどうかは微妙だけどね。……昔のおれを知ってる君ならわかると思うけど、おれはこう見えて、わりと感情的な性格なんだよ」
「……」
「それに執念深いし、独占欲も強い。……これは前に沖縄で君に言ったけどね?」
尚哉は笑いながら言う。
鈴菜は無言で尚哉の話を聞いていた。
優しい先生というイメージの裏の、感情的な一面。
過去を思いだした今となっては、なんとなくしっくりくるものがある。
ようやくコインの裏表が貼り付いたような、そんな感じだ。
押し黙った鈴菜の前で、尚哉はゆっくりと椅子から立ち上がった。
「さ、遅くなる前に、そろそろ帰ろう」
「あ、はい……」
鈴菜も慌てて立ち上がり、椅子に置いてあったバッグを取り上げた。