センセイと一緒 ~feel.White~
「もし申し込むのであれば、すぐに家に帰って源泉徴収票のコピーを持ってきてください。その間に僕は申請書を作成します」
「……」
「どうしますか? 森下さん」
――――尚哉の言葉に。
鈴菜は慌てて頷き、椅子から立ち上がった。
「申し込みます! 白崎先生、すみませんが申請書をお願いします」
「了解しました。では急いで行ってきてください」
尚哉は目を細め、微笑した。
この間の鋭さは微塵も感じられない、穏やかな微笑み。
鈴菜は奨学金の資料を片手に進路指導室を飛び出して行った。