センセイと一緒 ~feel.White~
5限目の前の休憩時間。
鈴菜は日本史の年表を抱えて廊下を歩いていた。
年表はさほど重くはないが、大きいためかなり嵩張る。
鈴菜は歩きながら内心でほっと息をついた。
『安心して。学校ではちゃんと先生として接するから』
その言葉通り。
尚哉は今日一日、普通に鈴菜と接していた。
そしてそれにどことなくほっとしている自分がいる。
尚哉は教師で、自分は生徒だ。
きっと自分以上にそのことは分かっているに違いない。
……たぶん。
日本史の授業が終わったら、この年表を再び準備室に戻しに行かなければならない。
……と、ふと廊下の先を見た時。
C組の村居さんが、廊下の窓から何かをじっと見つめているのが見えた。