センセイと一緒 ~feel.White~
5限の授業が終わった、放課後。
鈴菜は日本史の教科書を前にうーんと首を傾げていた。
……どうも、江戸時代の改革の部分がどうもわからない。
似たようなものばかりで混乱するというか……。
と、頭を捻っていた時。
「どうかしましたか、森下さん?」
「……白崎先生……」
鈴菜は尚哉の声に、はっと顔を上げた。
見ると、尚哉が鈴菜の机のすぐ脇に立ち、鈴菜の机を覗き込んでいる。
「……江戸の改革ですか?」
「あ、はい。ちょっと混乱してきて……」
鈴菜が言うと、尚哉は少し笑って前の席の椅子に座った。
足を組み、胸ポケットに差してあったペンを手に取る。
……その、仕草も……
端整な顔も、夕凪を映したかのような美しい瞳も……
思わず目が吸い寄せられてしまう。