センセイと一緒 ~feel.White~
「白崎先生、明日の図書委員会ですが、議題はどうしますか?」
「議題、ですか。そうですね……」
「以前からテーマに上がっていた、図書の分類と参考図書の扱いについて、というのはいかがでしょうか?」
村居さんはじっと尚哉を見つめ、早口に話しかける。
自分以外と話すのは許さないとでも言いたげなその雰囲気。
村居さんは思っていたより頑固というか……執念深いというか……。
あれだけ言われても、全く諦めるつもりはないようだ。
……鈴菜の胸に得体のしれない黒い不安が広がっていく。
鈴菜はそっと教科書とノートを閉じた。
こそっとバッグにそれらをしまい、立ち上がる。
「……森下さん?」
それに気づいた尚哉が驚いたように鈴菜を見る。
鈴菜は少し笑い、尚哉に軽く頭を下げた。
「先生、教えていただいてありがとうございました。……失礼します」
言い、鞄を持って教室のドアの方へと歩いていく。
その背を、尚哉の鋭い視線がじっと見つめていた。