センセイと一緒 ~feel.White~



翌日。

1限目の休み時間。

鈴菜は掲示板を見ようと廊下を歩いていた。

その時。


「あぁ、森下さん」


後ろから声を掛けられ、鈴菜は振り向いた。

見ると、尚哉がいつもの穏やかな笑みを浮かべて歩み寄ってくる。


「白崎先生」

「ちょうど良かった。森下さん、今日の授業が終わったら社会科準備室に来てください」

「……え?」


と首を傾げる鈴菜に、尚哉は目を細めて微笑した。

その笑顔は鈴菜がこれまで学校で見てきたものと同じだ。

しかし。

何かが……いつもと違うような……。

思わず背筋を強張らせる鈴菜の耳に顔を少し近づけ、尚哉は囁く。


「できるだけ早く、ね。……わかりましたね、森下さん?」


耳元でくすりと笑い、尚哉は身を離した。

鈴菜は顔が青ざめるのを感じた。

……なんか危険な感じがする。

背筋を強張らせた鈴菜に少し笑って、尚哉は踵を返した。

その背を鈴菜は呆然と見つめていた。



< 77 / 215 >

この作品をシェア

pagetop