センセイと一緒 ~feel.White~
翌日。
1限目の休み時間。
鈴菜は掲示板を見ようと廊下を歩いていた。
その時。
「あぁ、森下さん」
後ろから声を掛けられ、鈴菜は振り向いた。
見ると、尚哉がいつもの穏やかな笑みを浮かべて歩み寄ってくる。
「白崎先生」
「ちょうど良かった。森下さん、今日の授業が終わったら社会科準備室に来てください」
「……え?」
と首を傾げる鈴菜に、尚哉は目を細めて微笑した。
その笑顔は鈴菜がこれまで学校で見てきたものと同じだ。
しかし。
何かが……いつもと違うような……。
思わず背筋を強張らせる鈴菜の耳に顔を少し近づけ、尚哉は囁く。
「できるだけ早く、ね。……わかりましたね、森下さん?」
耳元でくすりと笑い、尚哉は身を離した。
鈴菜は顔が青ざめるのを感じた。
……なんか危険な感じがする。
背筋を強張らせた鈴菜に少し笑って、尚哉は踵を返した。
その背を鈴菜は呆然と見つめていた。