センセイと一緒 ~feel.White~
放課後。
鈴菜は社会科準備室へと向かった。
恐る恐るドアを開け、中に入る。
……と。
「あぁ、こちらですよ、森下さん」
奥から声がし、鈴菜は資料の間を通り抜けながら奥の教員机の方へと向かった。
尚哉は資料の棚の前で何やら首を傾げている。
そういえば、今日は歴史研究部がある日だ。
鈴菜はもう退部しているので出ることはないが、尚哉はこれから顧問として部活に行くのだろう。
「今、ちょうど江戸時代をテーマにしてましてね。どの資料がいいか……」
尚哉は言いながら資料を一つ一つ手に取り、チェックしていく。
尚哉は先生としては真面目で、とても丁寧だ。
鈴菜も隣で資料の棚を眺めていた。
が。