センセイと一緒 ~feel.White~



20:30。

二人は駅前の郵便局に寄った後、バスに乗り、家の方面へと向かっていた。

夕方までは直通バスがあるのだが、この時間になると別の路線バスで途中まで行き、後は歩かなければならない。


「……」


二人で歩いていても何を話せばいいのかわからない。

鈴菜は尚哉の隣を無言で歩いていた。

前に、ボーリングの帰りに一緒に帰った時はいろいろ話しながら帰ったのだが……。


『僕は、ずっと昔からある女性に想いを寄せています。もう10年近くなりますね』


あの時の言葉。

……そう、白崎先生にはずっと想っている人がいる。

なのになぜ、あの時自分にキスしたのだろうか……。


『特定の相手がいたとしても、他の女にキスできる奴もいる』


修学旅行での柊史の言葉。

……白崎先生もそうなのだろうか……

そう思うと、胸が痛む。

なぜかはわからないが……。


と無言で歩いていた鈴菜だったが、隣で尚哉が足を止めたのに気付き、鈴菜も足を止めた。


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