センセイと一緒 ~feel.White~
「か、借りって……」
じりじりと後ずさった鈴菜だったが、やがて壁に背が当たった。
――――まずい。
と思った鈴菜の耳の両脇に、とん、と尚哉が両手をつく。
そのまま背をかがめ、至近距離で鈴菜の顔を覗き込む。
……色を帯びた美しい瞳。
鈴菜はひっと息を飲んだ。
「せ、先生っ、……学校では先生として接するって……っ」
「先生として接してますよ? キスもしていないし、触れてもいないでしょう?」
「……っ」
口をパクパクさせる鈴菜をしばし見つめた後、尚哉はくすっと笑って身を起こした。
鈴菜は思わずはーっと息をついてしまった。
「さて、借りですが。どうやって返してもらうのが一番いいですかね?」
「……」
……って自分に聞かれても……。
無言の鈴菜の前で、尚哉はしばし考えた後、口を開いた。