センセイと一緒 ~feel.White~

3.もし夢なら・・




そして、週末の土曜日。

鈴菜は尚哉に言われたとおり、八坂神社の本殿の裏へと向かった。

氏子祭りはちょうど人出のピークを迎えており、いくつかの露店に人が集まっている。

本殿や参道は提灯で飾られているため明るいが、それ以外の部分は夜闇に沈んでいる。

鈴菜は参道を抜け、本殿の方へと歩いていった。

本殿の前までは石畳になっているが、裏に続く小道は杉の木の根や枯葉で足場が悪くなっている。

ゆっくりと注意しながら歩いていくと、白い着物を着た尚哉の姿が目に入った。


「……!」


初めて見る尚哉の姿に、鈴菜は目を見開いた。

白い着物に白い袴を身に着けた尚哉は、その端正な顔立ちと相まり、日本的な美しさを感じさせる。

まさに神職という感じだ。

と思わず足を止めた鈴菜に、尚哉が声をかける。


「あぁ、鈴菜。……さ、こっちに来て。足元に気を付けて?」

「……は、はい」



< 82 / 215 >

この作品をシェア

pagetop