センセイと一緒 ~feel.White~
3.もし夢なら・・
そして、週末の土曜日。
鈴菜は尚哉に言われたとおり、八坂神社の本殿の裏へと向かった。
氏子祭りはちょうど人出のピークを迎えており、いくつかの露店に人が集まっている。
本殿や参道は提灯で飾られているため明るいが、それ以外の部分は夜闇に沈んでいる。
鈴菜は参道を抜け、本殿の方へと歩いていった。
本殿の前までは石畳になっているが、裏に続く小道は杉の木の根や枯葉で足場が悪くなっている。
ゆっくりと注意しながら歩いていくと、白い着物を着た尚哉の姿が目に入った。
「……!」
初めて見る尚哉の姿に、鈴菜は目を見開いた。
白い着物に白い袴を身に着けた尚哉は、その端正な顔立ちと相まり、日本的な美しさを感じさせる。
まさに神職という感じだ。
と思わず足を止めた鈴菜に、尚哉が声をかける。
「あぁ、鈴菜。……さ、こっちに来て。足元に気を付けて?」
「……は、はい」