センセイと一緒 ~feel.White~
鈴菜は慌てて尚哉の方へと近寄った。
近くで見るとやはりその恰好に圧倒されてしまう。
まじまじと見る鈴菜に尚哉は苦笑した。
「さっきまで神事をしていたから、着替える時間がなくてね。本当は私服で来るつもりだったけど……」
――――私服。
いつも尚哉は学校ではスーツを着用している。
私服を着ているのを見たことはない。
何を着てもそれなりに似合いそうな気はするが……。
と思っていた鈴菜に、尚哉は目を細めて言った。
「折角の夏祭りだし、今度はお互い、浴衣というのもいいかもしれないね?」
「……浴衣、ですか?」
「あぁでも、君の浴衣姿を他の人に見せたくはないな。おれの前でだけ着てもらう、って方がいいかもね?」
それは一体、どんな状況なのか。
思わず想像し顔を赤らめた鈴菜の肩を、尚哉が横からそっと抱いた。