センセイと一緒 ~feel.White~
「二人でここで会うのは、10年ぶりだね?」
「そうですね……」
鈴菜は辺りを見回した。
昔に比べて鎮守の森の木々も増えたような気がする。
杉の幹も太くなり、地面に根を這わしている。
……10年の歳月。
懐かしそうに辺りを見る鈴菜を、尚哉がじっと見つめる。
「おれはここに来るたびに、君がふと現れるんじゃないかと……心のどこかで、いつも期待してた」
「……先生……」
「だから今は、とても嬉しい。君がここにいることが、夢ではないかと思ってしまうよ」
言い、尚哉は鈴菜の唇に優しい口づけを落とした。
淡く優しい熱が、二人の唇の間で溶けていく。
「もし夢なら醒めたくはない。君と二人で、ずっとこうしていたい……」
「先生……っ」
「でも、……夢ではない、ね」